さくさく–文芸同人サークル文学市場のブログ–
感謝祭と「ありがとう」
11月23日はThanksgiving Dayでしたね。皆さんは七面鳥、食べましたか。
手話と人肌
こんにちは。若夏です。
6月に入り、一週間。そろそろ梅雨も本格的になる頃でしょうか。静かな部屋の中でじっと窓越しに降る雨を眺めている時、皆さんは雨に何を聴きますか。先日「Listen」という映画を観て、視る「音楽」があるというのを知りました。今回はその、視る「音楽」について紹介させてください。
「Listen」はろう者が、手指、顔の表情、体全体を駆使して「音楽」を表現する映画で、バックミュージックや語りは一切なしの視覚だけに訴える60分間の無声映画です。巧みな手指の動き、あらゆる方向に捻じったり、揺り動かす体、何か迫るものがある表情は、ダンスや舞踊と言えるかもしれませんが、そのパフォーマンスをしている、ろう演者にもちろん、音は聞こえません。身体がつくる空間に音はないのに、何かがあると感じさせ、見入ってしまう作品でした。出演者の中に流れ去る雲や、河原で肌を触れる風や、海辺の夕日に時間の経過を感じて、その中で心に湧くものを表現すると言っている人がいました。聴者の音楽にもリズム・テンポ・抑揚はありますが、ろう者の音楽も時間の中で心臓の鼓動が高鳴ることから生まれるのでしょう。聴者にとっての音楽体験は「音」という音階などに一般化されたものを、耳から受け取るという体験ですが、ろう者にとってそれは、視覚と触覚でとらえる外の世界と自分の内的世界が呼応、共鳴する時、自発的に生まれるというのが分かりました。一人のろう演者が繊細な手指とともに、眉、目、口を動かし、そこに空間をつくると、その場にシンクロするように一人、もう一人とパフォーマーが増えていく様子は、まさに合奏であり、自分と他者が「何か」でつながっている、「何か」を共有していると思わせる映像でした。上映後、監督が「日本手話を母語とする私達ろう者は相手の手に宿る『気』、というか温度みたいなものを感じることがある」と述べていましたが、そこには、確かに、身体がもつ表情、オーラ、温度などが存在しているように感じました。
「嘘」
こんにちは。若夏です。
4月に入りました。新年度を迎えるにあたり、いかがお過ごしでしょうか。
1日はエイプリルフールでしたが、皆さん、「嘘」はつきましたか。
といって、思い出せたらすごいですよね。私達は人間関係を上手く成り立たせるために、一日に何回も無意識のうちについているらしいです。相手を喜ばせるためにお世辞を言ったり、元気づけるために本当のことを隠して違うことを言ったり、自分の失敗を、都合のいいように自分なりに解釈したり、出来なかったことへの言い訳をしてみたり、数えたらキリがないほど、嘘をついているようです。適度な嘘は人が付き合う中で学習してきた知的能力の結果であり、心の健康を表しているのかもしれません。
そこで、良い嘘と悪い嘘ってあるのでしょうか。そんなことを考えてみたくなりました。
Cosmosという宇宙観
秋を代表する花にコスモス(秋桜とも書かれる)がありますね。ピンクや赤、黄色、白など様々な色があり、8枚の羽状の花弁をつける、この花は栽培されて公園や畑を作っています。なぜコスモスというのか、語源を調べたところ、ギリシア語のKosmos“秩序”“調和”にあるようです。ギリシア語Kosmosは、英語Cosmosという、星が整然と並ぶ様子、や天体の持つ秩序だった法則を内に含む、宇宙観を示す言葉を生みました。Cosmosが示す宇宙観は宗教や民族が違えば違いますが、「混沌とした空間から秩序だった世界が生まれたとする点、世界の構造を決める<聖なるもの>としての中心がある」という点で共通しているようです。そんな壮大な意味を持つCosmosは哲学や宗教にも関わる言葉に思えます。
茶道の世界にも漆器から宇宙が見えるなんて言ったりしますが、メキシコ原産の花コスモスにも、宇宙を感じることができるのでしょうか。8枚の花弁が整然に並ぶ様子を、星の瞬く様子に見立てるのでしょうか。
物語の残虐性について
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京都在住の同人です。合評会にはたまにしか参加できないため、主に雑記に現れます。「さくさく」では今のところ歴史・時代小説を書いていますが、青春物やファンタジー、童話なども書きます。
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東京在住です。
月一の合評会では先輩方の才気に富む意見に刺激を受けながら、まだまだ執筆経験は浅いですが、もの書きを目指しています。
「さくさく」には短いエッセイを載せています。
踊りによる自己表現にも興味があり、将来、文章と踊りを融合させた作品を作れたらと小さな夢を抱いています。