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物語の残虐性について

 どうも史間です。お前だれやねんッ(以下略)。

 ちょっと自分でもコントロールできないほど予定が詰まっていて、合評会に参加できないどころか、作品も出せていない状況で……せめて雑記をと思いまして。本当は例会の2次会に参加して皆さんのご意見を伺いたいこととかあるのですが(先日てんねさんに託しました)。2次会で出る話題は毎回濃いですので、皆様ぜひぜひご参加くださいませ♪ くっそー! 京都遠いよ!

 さて。先日、仕事で上越市に行く機会がございまして、ついでに直江津に2泊しました。久しぶりの春日山城跡に高田城下は楽しかったです。榊原康政公の回り兜をはじめ貴重な史料等も拝見できてうはうはでございました♪

 今回は時間に少し余裕がありましたので、直江津の浜をずっと歩いてみました。おかげさまで酷い日焼けです。日傘もささず帽子もかぶってなかったので、頭皮がやばい(笑)。
 配流された親鸞聖人が上陸した居多ヶ浜から居多神社、五智国分寺、本願寺国府別院……等々を回って浜辺を歩き、最後にたどり着いたのが「安寿姫と厨子王丸の供養塔」です。

 安寿と厨子王の伝説については、ここで改めてご説明するまでもないかと思います。かの森鴎外の小説『山椒大夫』は、この伝説をもとに、説教節の演目『さんせう(山荘)太夫』を原作にしています。
 鴎外の『山椒大夫』も悲しいお話なのですが、もとになった伝説、それから『さんせう太夫』は残酷なシーンがたくさんあるのですよね(説教節は数パターンあるそうで、私はすべて確認できていません。すみません)。母親への仕打ちとか、安寿姫の拷問シーンとか(これがもう酷い)、厨子王が太夫に復讐するシーンとか。

 『山椒大夫』の他にも、もとになった伝説や原作の残酷なシーンや性描写を避けている物語はたくさんある、というのは広く知られるところです。グリム童話にしたって日本昔話にしたって、もともと子ども向けだったわけではなく、伝説や伝承がベースとなっているわけで、その中に登場するとっくに廃れた(あるいは絶やすべき)因習を、子ども向けのものについてはわざわざ表現すべきでないのかもしれません。時代に合わせてある程度物語を調整(?)することは、私は仕方ないかなと思っています。死への認識とか距離感、正義についてさえ、原作が生まれた時代とはまったくと言っていいほど変化している場合がほとんどでしょうから。

 ただ、彼らがある程度成長した時に、簡単に原作にたどり着けるようにはしておいたほうがいいのかな、とは思います。「原作があるのだ」という認識がまったくできない情報の隠し方はどうかな~と思うのです。なぜ子どもには知らせないほうがよいのか比較検討できるようになった時に、ちゃんと示してあげられる環境が必要なのかなと。まずは純粋にストーリーを楽しんでもらって、後で「ぎゃー!」ってなればいいよ、と個人的には思います(笑)。

 皆様はどのようにお考えでしょうか?

 子どもの頃に聞いた残酷な話っていうのは、記憶の底に残りますよね。残虐なビジュアルも強烈。地獄絵図の絵解きをされた時には、半年くらいずっと夢に見ていました(笑)。真剣に「地獄に落ちないためにどうすればいいか」考えたものです。そういう機会は、あったほうがいいのかもしれませんね。

 あ、地獄絵図の話をしだすとまた長くなるので、今回はここまでで。

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