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「さくさく」に見るオノマトペの世代差

こんにちは。
もうすぐ今年も残り約二ヵ月という信じ難い現実と向き合うことに悪戦苦闘している菊枝です。

生きるというのは、でーんとそびえる強大な敵を前にして膝をがくがく震わせながらも勇気をぎゅっと振り絞って心の刀をシャキーンと抜いて地面をがっと蹴って立ち向かう、そういうものですね。

ということで、今回はオノマトペの話。

小説に限らず、文章や会話では頻繁に登場するオノマトペ。

オノマトペという言葉そのものはフランス語のonomatopéeから来ているらしいです。
フランス語の知識がない私にはonomatopéeとオノマトペを同じものとして扱ってよいかわからないですが。
ここでは「擬声語」と「擬態語」の総称とします。
(擬声語に擬態語も含まれるという考えもあるかと思いますが、ここではそれは本筋ではないので大辞泉の意味にそのまま従います)


擬声語の例:からすが鳴くときの「かーかー」やお腹が鳴るときの「ぐーぐー」
擬態語の例:糸を引く納豆の「ねばねば」や濡れた服の「びしょびしょ」


このオノマトペについて、少し前に興味深いニュースがありました。

「PCがさくさく動く」って日本語、どれくらい伝わる?――文化庁の世論調査で判明

以下、一部抜粋。
 ネットではよく、PCやスマートフォンが軽快に動作する様子を「さくさく」と言ったりします。文化庁が「パソコンがさくさく動く」という言い方の認知率を調べたところ、全体の38.3%が「聞いたことがある」と答えました。年齢別にみると、30代が44.3%で認知率が最も高く、60才以上だとわずか3.1%しか知られていないことが分かりました。

記事では「さくさく」という言葉の利用が電子機器に限定されているように受け止められそうな書き方ですが、少なくとも私はそれ以外でもでよく使われるイメージを持っています。

たとえば
「宿題はさくさく片付いていった」
「商談がさくさく進んだ」
等々……。


一般的な言葉だと思っていたのですが、この調査結果を見ると、どうやらそうでもない?

全体の59.8%が「さくさく」を聞いたことがないと答えているのですね。
つまり、たとえば読者層を問わない文章を書いてそこで「さくさく」という言葉を用いた場合、約六割の読者には意味が通じないと。
(調査の対象が16歳以上で、また、人口分布と適合した対象を選んだかわからないので誤差は大きいかもしれないですが)


文脈や語感から伝わるものもあるので「意味が通じない」は大袈裟かもしれないですが……
自分が常識だと考える言葉でも他の人にとっては必ずしも常識ではないわけで、書く者としてこれはしっかり意識しなければと強く思いました。


調査結果概要はPDFファイルでこちら↓にまとまっています。
平成24年度「国語に関する世論調査」の結果の概要

面白いのでよければぜひ。


調査結果にて取り上げられている「役不足」は本来の意味ではない方(力不足と同義の方)が広まりすぎて、読書していて登場するとどちらの意味で使われているのか迷うことがありますね。
あと、若い世代特有かと思っていたのですが、結果を見ると世代問わずなのですね。
どの世代も約半数が誤用で覚えているというのが、なんか興味深い。


言葉は生き物ですね。


前置きが長くなりましたが、なにを伝えたかったかと言いますと……
「さくさく」と言えば、私たち文学市場の同人誌の名前!
皆さんの筆がさくさく進みますように。


美しくまとめたつもりですよ、はい。
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さくさくといえば

文学市場の会誌「さくさく」しか思いつきませんね!(きっぱり)
あとは、クッキーがサクサクとか(そんなことは言ってない)

オノマトペ関連の話題で最近印象的だったのは「まったり」ですね。関西でも、若者はほとんど味覚の意味では使わないんじゃないでしょうか。
言葉って変化するんだな〜としみじみ。

さくさく

文学市場が創設されて、会誌の名前を会員から募り、その中から「さくさく」とつけられました(投票で)。そして「さくさく」創刊号を発行し、知人に配ったところ「さくさく」ってどういう意味? とよく聞かれました。
花が咲くの≪さく≫、作品の≪さく≫、新雪の上をサクサクの≪さく≫サークル(柵)の≪さく≫等々、いろいろ解釈した方がいます。いつごろからだかお菓子で《さくさく》というのがあったり、物事が《さくさく》進むだとか、いろいろ使われているのを耳にするようになりました。でも《さくさく》という言葉自体、まだ認知度は低いのですね。

Re:オノマトペ

こんにちは。
私は、当会機関紙「さくさく」の意味を、
「コツコツ創作しています、したものです、しませんか」
だと思っていました。
つまり、ここに隠れる真のオノマトペは、コツコツですね。

「めまいがして気を失いかけた」といいたいときに、
「フーッとなった。」と新人研修で言ったら、
若手にまったく通じませんでした。
これも世代差でしょうか。

コメントありがとうございます!

>史間さん

うん、さくさくといえば文学市場の「さくさく」これのみですね! 疑問の余地がない!!
サクサクなパイは美味しいですね。

「まったり」についての情報ありがとうございます! 関西では使われないのですね。地域毎の違いもいろいろありますね〜。

>kazukoさん
いろいろな意味が想像できていい会誌名だと思います。それでいて、どの時代でも愛されそうな会誌名でもありますね。
軽快動作の意味での「さくさく」はもっと広く知られていると思い込んでいました。この結果を見るとどの世代でも認知度五割を切っているのは驚きです。

>宮島様
会員誰もがコツコツと創作を積み重ねた集大成、ですね。
「フーッとなった。」は、確かに、耳にすることがまったくないですね。世代差なのか、それか、普段触れている文化にも大きく影響されそうですね。
  • 菊枝
  • 2013/10/29(Tue)18:57:25
  • 編集

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文学市場は1994年設立のジャンル不問文芸同人サークルです。毎年3回、同人誌「さくさく」を発行しています。
ブログ「さくさく」では、文学市場の同人が、例会の様子や文学について、などゆる〜い感じで紹介します♪
 
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「さくさく」には短いエッセイを載せています。

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