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「あとがき」読む派? 読まない派?

 どうも史間です。
 てんねさんばかりにお任せして申し訳ないです! ち、ちゃんと思っています!

 東京では桜が開花したそうですね。早いものです。
 昨年の秋は、柳生街道から柳生の里までを歩きました(約11時間かけて)。今年の春は2日に分けて熊野古道を歩く計画を立てています。学生の時に歩いたきりですので、確実に体力の衰えを実感することでしょう。ああ、恐ろしや(笑)。
 あとは、淡路島で玉ねぎのステーキと淡路島バーガーを食べて、徳島で阿波尾鶏を食べて、広島で牡蠣も食べたいけれど、お伊勢エビ参り(注意:そんな言葉はありません)も外せないですね! 食欲だけは中学生並!

 さて、今回は「あとがき」についてです。
 皆さんは、小説やエッセーのあとがきって、読まれますか? それとも、あえて読まない派でしょうか?
 そんなお話。よろしければ「つづきはこちら」からどうぞ!
 志賀直哉は、私の好きな作家の一人です。

 国語の教科書で『城の崎にて』を読んだ後、他の作品も一気に読破しました。特に『城の崎にて』『剃刀』『清兵衛と瓢箪』『小僧の神様』が好きで、思い出しては繰り返し読んでいます。

 ゆかりの地も巡りました。そういえば、秋に歩いた柳生街道に入る手前にも、彼の居宅跡がありました。
 漫画やアニメの舞台のモデルとなった場所へ行くことを、「聖地巡礼」と呼ぶそうですね。では、私のこれも聖地巡礼ですね。そんなことを言い出したら、歴史研究におけるフィールドワークも聖地巡礼になるのでしょうか。あ、それは今どうでもいい話か。

 というわけで、聖地巡礼。京都から比較的行きやすいこともあり、城崎温泉には何度も訪れています。三木屋さんにも泊まって、志賀直哉が滞在したという部屋の畳を転げまわり、女将さんに苦笑いをされた私です(笑)。


 志賀直哉滞在の部屋



 何だかんだいって、一番の目的はカニですが! カニ最高! 三木屋さんのカニ三昧プラン最高!

 ……脱線しました(笑)。

 十代の頃は、志賀直哉が好きな時期と、大嫌いな時期が繰り返しやって来ました。あの淡々とした、無駄のない文章の中に潜む狂気というか、絡まり合う意識というか、そういうものを渇望して一気に読む。そして、読み終わった後に「大嫌いだ。二度と読むか!」と放り投げる。でも、しばらくしたらまた読みたくなる、というものです。

 なぜ大嫌いになるかというと、作品を読んだ後に、あとがきを読んだから。

 私の手もとにあるのは、祖父が遺した『日本文学全集』(集英社)のうちの一冊で、奥付を見ると初版昭和四十二年とあります。しかも、私によって穴が開くほど読まれていますので、穴はまだ開いていませんが、背表紙が崩壊しかかっています。修繕に出さないと。
 全集ということもあり、志賀直哉の生い立ちから作品年表、当時彼が置かれていた状況など、巻末に事細かに書いてあるのですね。あとがきというよりは解説です。しかし、それに加えて、志賀直哉自身が作品について語った記事や、彼の「創作余談」などを引用している部分もあります。裏話のようなものもあれば、仕掛けを暴露しているような発言もあり、これが「あとがき」の印象です。そんなことまで知りたくなかった、それは蛇足ではないか、と読みながら次第に憎悪に似た感情を腹に溜めていたように思います。
 それを数度経験した後、ついにあとがきを読まなくなりました。

 十代の頃は、作品を読むだけで気持ちが高まり、あれこれと想像を巡らせるのが楽しみだったので、あとがきを読むとがっかりしていたのではと思います。
 漫画家さんや声優さんの顔を見て、イメージとちがってがっかりした。そんな体験と似ていますが、もっと根深い感情のような気もします。志賀直哉に対する理想というかイメージが、自分の中で出来上がっていたのかもしれませんね。

 今はそのようなことはなくなりました。小説を書くようになり、作品と作者の立ち位置が明確にイメージできるようになったからではないかと、勝手に納得しています。

 あとがき自体は、読んでも読まなくても作品には影響しません。作者の近況などを知ることができるので、もっと身近に感じられるというメリットもあるかなと思います。

 そんなわけで、私は「今はあとがきを読む派」です。解説は読んだり、読まなかったり。
 皆さんはいかがでしょうか?


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素晴らしい記事をどうもです!!

興味深い話題!

作品の内容によりはするんですが、私はどちらかというと読まない派かも?
完結した作品は自分の中で完結したままにして、それ以上の情報はできるだけ無しにしておきたいから。

これって小説だけの話じゃなくて、たとえば……
ゲームのリメイク、解散したバンドの再結成、映画の続編等々……
どれも個人的にはう〜んって感じ。
綺麗な思い出は綺麗な思い出のままにしておいてよ! みたいな。
もちろんそれで新たなファンが増えるとかメリットがあったりすることはわかってはいるんだけど!

「あとがき」じゃなくて「まえがき」にしておいてくれれば読むかも。
それなら作品の余韻に浸る邪魔にならないから。
ああ、けど、読む前に余計な情報植えつけるなよって怒りそう(笑
  • 菊枝
  • 2013/03/18(Mon)20:29:43
  • 編集

主にカニをリスペクトする記事です

>てんねさん

コメントありがとうございます♪
どちらかというと読まない派。その気持ちもすごくわかる!
裏話や登場人物の裏設定などは、作品がすべての読者にとっては必要ないもの、ですものね。

解散したバンドの再結成は、好きなバンドならうれしいかも(笑)。
ちょっとちがうけれど、小説の映画化にも似たような感情を抱くかもしれません。ドラマや映画のスピンオフ作品は…どうでしょう、作品によるかな。

あ、私は「まえがき」なら、確実にとばします! 専門書以外なら。
だって最初に触れるのは作品がいいですもの。

読む派です

>史間さん

こんにちは。私はあとがき・解説・まえがき、全て読む派です。
(ポリシーではなく、結果的に)
何かを読み始めて、「読了できるかな…」という不安がよぎった時、
ツボの手がかりがあると端折り易い! という安易な発想かも。

コース料理のアピタイザーみたいな感覚かなあ。
なお解説は鵜呑みにせず、批判的に読むのは言うまでもありません。

カニサークルですね!

>史間さん

返信どうもです!

>ちょっとちがうけれど、小説の映画化にも似たような感情を
>抱くかもしれません。ドラマや映画のスピンオフ作品は…
>どうでしょう、作品によるかな。

スピンオフ作品もう〜んって感じです。「脇役だったんだから脇役のままでいてよ」みたいな。こうやって書いていると自分がなんだかものすごくうるさい人間に思えてきた(笑
  • 菊枝
  • 2013/03/19(Tue)21:07:00
  • 編集

読む派も読まない派も!

>宮島さん

コメントありがとうございます♪ 結果読んでしまう派、なのですね。

読了できるかなって思った時、私ならどうしてるだろ……そのまま放置するかな? でも、そうですね、そういう活用(?)の仕方もあるかもしれないですね。解説。

先日、帚木蓬生さんの『水神』を再読した際に(本当は再々々々読くらい)、初めて解説を読みました。それで、帚木さんが闘病しながらこの話を書かれたと知りました。それを知って、また別の視点からいくつかのシーンを思い起こせるなぁと感じました。解説がもっと膨らませてくれたと思います。そんな読み方もあるなって。

アピタイザーはコース料理の一部だから、別オーダーのアラカルトくらいの存在かもしれませんね♪ 解説、批判的に読むのですか。解説書かれている方にもよるかもですが、頭っから批判的に読んでいくのは、疲れませんかね? 目と脳が(なんか年寄り臭い

わがままさん♪

>てんねさん

わがままだなぁ(笑)。って、嘘ですよ♪
好き嫌いって人それぞれだし、私もてんねさんのおっしゃること、わからないでもないから(笑)。

これ、この間もてんねさんと話してたんですけど。
Twitterでネット小説を書かれている方々と交流していると、登場人物の細かい設定ばかり熱く語っている方が多くて、まだその作品読んでないと、いやぁもうお腹いっぱい! みたいな感覚になります。これ、よく考えたら前書きよりもひどい……のかもしれない。私は逆に読む気が失せてしまいます。気になるフレーズを使って、あっさりと作品にいざなってほしいな〜と思うんですよね。ほら、私もわがまま(笑)。

本編を軸に、その存在感を大事にした、まえがき、あとがき、派生作品だったら抵抗なく入っていけるのかな。でもそれって作り手としては相当難しいかも(笑)。

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